10月16日に開催された「Digital HR Competition 2026」のファイナルイベントに参加してきました。本イベントは、ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会が主催する実践的HRテクノロジーのコンペです。

ピープルアナリティクスやAI×HRの取り組みの先進性や独自性を競うコンペで、国内HRの最先端に触れられる貴重なイベントです。2年ぶりの現地参加でしたが、非常に熱量が高く、この分野の盛り上がりを改めて肌で感じることができましたので、レポートしたいと思います!
各社の取り組みとコンペ結果
今年のコンペでは、過去最大の6社がファイナルに残る混戦模様で、どの発表もハイレベルなものでした。
各社の取り組み
まずは各社の取り組みをざっとまとめてみました。私が現地参加したのは2年ぶりだったのですが、この2年で手法も問いもかなり高度になっているように感じました。また、採用から配置、人材育成など課題領域も広い印象を受けました。
| 社名・テーマ | 問い |
|---|---|
| 株式会社セプテーニ・ホールディングス テーマ:1/100を1/1へ。デジタルマーケ×ピープルアナリティクスで実現する自前の通年採用 |
候補者との関係を育てながら、採用の迅速化・コスト効率化とミスマッチの低減を両立できるか。 (採用) |
| 三菱UFJ信託銀行株式会社 テーマ:相性を測るより、つながり方を見る |
メンバーの性格の組み合わせや人のつながりは、チームのエンゲージメントとどう関係するか。 (組織開発・配置) |
| 株式会社NTTドコモ テーマ:スキルタクソノミーとAIを用いた次世代の人材マネジメント基盤 |
社員の能力・希望とポストの要件を把握し、本人と組織双方の要望を踏まえた配置案を作れるか。 (配置・異動) |
| 株式会社博報堂DYコーポレートイニシアティブ テーマ:学習ログと人事データの統合分析によるリスキリングのROI可視化と成果転換メカニズムの解明 |
学習の広さ・深さや習慣は、社員の意識やパフォーマンスとどう関係するか。 (人材育成・リスキリング) |
| ウーブン・バイ・トヨタ株式会社 テーマ:SDV人材を可視化する―AIと人が支える日英・グローバル標準のスキル基盤 |
多様な背景を持つ社員の間で、役割・スキル・期待水準の認識をどう揃え、育成につなげるか。 (人材育成・キャリア開発) |
| オリックス生命保険株式会社 テーマ:『人と人』『人と組織』の“相性”に着目した人材配置AI予測モデル開発 |
本人と上司・組織の組み合わせから業績を予測し、配置の判断材料にできるか。 (配置・異動) |
コンペ結果と考察
コンペの審査結果は次の通りでした。受賞した皆様おめでとうございます!
- グランプリ :株式会社セプテーニ・ホールディングス
- 準グランプリ:株式会社NTTドコモ
- 審査員特別賞: 三菱UFJ信託銀行株式会社
今回はかなり接戦だったようです。審査時間も予定されていた時間よりも長く伸びていましたし、審査員の先生方のコメントもそれを物語っていました。
発表と質疑を通じて私が特に重要だと感じたのは、次の二つです。
人事のペインを捉えたテーマであったのか。
その課題解決のために適切なデータ分析手法を選択していたか。
まず大切なのは自組織において重要な課題に取り組んだかどうかという点でしょう。各社ともに自社の課題を出発点としていますが、その上で会社においてそれが偏頭痛級の課題であるかどかという点です。
一方、「適切なデータ分析手法」というのは、問題設定と手法、結論の関係が適切であるかということです。特に、記述・予測・因果推論の区別は重要な論点になっていました。記述・予測ベースであっても、実験デザインや効果検証を重ねているケースは高く評価されていた印象です。
いずれもデータ分析プロジェクトで大切にすべきことだと私は考えています。これは、AIやLLMを使ったかどうかとか、テーマが新しいかどうかよりも優先される事項だと思っています。
その意味で、本コンペの審査結果には個人的に納得しています。
各チームの発表内容詳細
それでは、ここから各チームの発表内容の概要と、技術的な観点から面白いと思ったことをまとめます。一人の視聴者としての個人的な意見ですので、お気軽にご覧くださいませ。
