武田 邦敬

武田 邦敬

データドリブンHRコンサルタント。ピープルアナリティクス内製化パートナーとして、データ活用を経営と人事の「文化」にする伴走者。

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ダッシュボードを作る前に、データを深掘りして対話する

ダッシュボードを作る前に、データを深掘りして対話する

データドリブン経営の肝は意思決定に数字を持ち込むことです。KPIを追いかけることはもとより、KPIと他のアクションとの関連性を統計的に分析することで、ファクトベースで施策を打てるようになるのが理想的です。 このように考えると、数字を効率的に追従して周知するためにBIによるダッシュボードを作るという話に繋がってきます。ダッシュボードをうまく作ると、見るべき数字のグラフや集計結果を一目でわかり、データも随時更新されます。部下やステークホルダーからのペーパーベースでの報告書を待つのではなく、いつでも見られるようにしておけばトレーサビリティも上がって素晴らしいというわけですね。 ダッシュボードの作り方について考えてみます。 KPIを可視化する(トップダウン) さて、この「ダッシュボード」ですが、それを作るときにどのような情報を詰め込むか明確になっているでしょうか。 トップダウンで考えるならば、組織目標としてのKGIがあり、KGIをブレイクダウンしたKPIが構成されていて、それらのKGI/KPIと補助情報をダッシュボードに盛り込めば良いということになります。しかし、このように作ったダ...

グラフを使って対話しながら進める

グラフを使って対話しながら進める

データ分析プロジェクトでは、対象とする業務や問題設定を問わず、どこかの時点でグラフを描くことになります。初期分析や探索的データ分析、分析結果のレポーティングなど、データアナリストはグラフを活用しながら分析を深めていきます。 人事データ分析でもグラフは大切ですが、とりわけプロジェクトメンバーとの議論を深めるために欠かせないものだと考えています。それはレポーティングの場面だけでなく、日常的なグラフを使った対話が大切だという意味です。 この点について、他分野のプロジェクトと比較しながら掘り下げてみます。 コミュニケーション密度 データ分析に必要な時間は様々ですが、少なくとも1.5か月から3か月を最小期間としてプロジェクトを回すことが多いのではないでしょうか。データ分析リソースを外部調達している場合は、半年から1年程度のプロジェクトになるかもしれません。 人事データ分析のプロジェクトでも同様なボリュームになりますが、他分野のプロジェクトと比較してよりコミュニケーションに時間をとる印象があります。主観的ではありますが、うまくいくプロジェクトほどプロジェクトメンバーでよく会話してい...

データを業務に活かすためのデータ分析デザインフレームワーク TIHAM

データを業務に活かすためのデータ分析デザインフレームワーク TIHAM

解きたい問題に対して分析アプローチを考える場面というのは、データサイエンティストやアナリストの腕の見せ所です。 例えば、人事データからハイパフォーマーの行動特性を探るタスクでは、パフォーマンスや行動特性の計量方法から、それらの関係性を推測するモデリング手法、評価観点などの分析アプローチを考えることなります。これは問題設定とも呼ばれ、業務課題を技術課題に落とし込む重要なフェーズで、データサイエンティストやアナリストの応用力が問われます。 問題設定が完了すればあとはデータを使って分析していくことなります。そして、分析を依頼された人やチームへのレポーティングを行えば分析プロジェクトは完了となるわけですが、このときに次のような会話になったことはないでしょうか? * 分析結果を報告したら「わかっている話しかないね。もっと何かないの?」といわれてしまった。 * 分析結果をめぐってクライアントチームのメンバーが対立し始めてしまった。 * PoC結果を報告したが「システムはできていないの? 早くAIを導入して楽にしてよ」と指摘されてしまった。 * 「大変参考になりました」とのコメントがあ...

データドリブン経営で取り組むべき4つの方向性 (ビジネスデータ活用マップ)

データドリブン経営で取り組むべき4つの方向性 (ビジネスデータ活用マップ)

ビジネスデータの活用はあらゆる業務で広がり続けています。ビジネスリーダーのビジョンを実現するために様々な課題を乗り越えていく必要がありますが、データは課題解決の手掛かりを得るたの協力な武器になります。 ビジネスでデータを活用する場面は幅広く、マーケティング、製造品質の改善、人材育成など様々な業務領域で効果をあげています。また、こうしたインハウスでの活動だけでなく、製品やサービスの付加価値を付けるためにデータを積極的に活用するケースも増えてきました。 このようなデータを武器としてビジネスを強化する経営スタイルを、データドリブン経営といいます。 例えば、GoogleやAmazon、NetflixなどのWebネイティブ企業はデータによってその競争力が支えられています。一方、スターバックスは実店舗を持つコーヒーチェーンですが、顧客サービスや経営の意思決定にデータを活用していて、データテック企業と呼ばれるほどです。また、国内ではワークマンがデータドリブン経営に取り組み、出店に対する意思決定や物流業務の効率化で効果を上げた事例がよく知られています。 それでは、データドリブン経営ではどのよう...

分析手法を組み合わせて問題を解く

分析手法を組み合わせて問題を解く

効果検証タスクはガチっとした実験デザインを行う必要があるので、諸条件に沿って検討していくと分析アプローチはおのずと絞られてきます。一方、探索的データ分析や何らかの自動化を目的とした機械学習タスクでは、試行錯誤の過程でさまざまな分析手法を試すことになります。 ここで、解くべき問題が難しいときや曖昧性が高い場合、「うまくいく手法を探そう」と考えると上手くいかないことがあります。 私が駆け出しデータサイエンティストだったころ、この壁によくあたっていました。事例や教科書を調べて使えそうな手法をリストアップして試しても、なかなか目標点に到達できないという状態が続きました。先輩や上司と会話しても、「XXXは試した?」「YYYの文献を読んでみたら」というアドバイスが続き、試すことが増えるばかりで足踏みしているように感じたものです。考えなしに試すだけで生産的でなかったなと今では思います。 定番の分析アプローチがワークしないときは、問題とデータをよく観察し、問題設定そのものじっくり考える必要があります。特効薬はなく、状況に即したアプローチを考えることが大切です。 このようなとき、複数の分析手法を...

意図的に業務を横断した議論の場を作る

意図的に業務を横断した議論の場を作る

人事の方とピープルアナリティクスで取り組みたいことを議論していると、実に様々なアイデアがでてきます。また、テーマについて話をしているときだけではなく、データ分析結果をレポーティングしている場面でも、取り組んでいるテーマを超えていろいろなアイデアが出てくることもよくあります。 例えば、異動業務の施策検討のために配置パターンについて類型化するプロジェクトでは、配置だけでなく人材育成や採用の話まで広がることがありました。配置というと異動に関することが中心になりそうですが、組織の人材ニーズに対する充足について課題が見えてくると、いろいろと話が膨らんできます。 目の前の「データ分析プロジェクト」を着地させることだけを考えると、こうした広がりはスコープクリープのリスクを生じさせるものです。他分野のデータ分析プロジェクトに慣れたアナリストからすると、驚かれるケースもありました。 しかし、人事分野においては、このような横断的な対話こそが重要だと感じています。 この記事ではこの点について掘り下げてみます。 横断的な議論によってテーマが見えてくる 外から人事業務を観察すると、採用、配置、...

データの発生源を調べ、疑う

データの発生源を調べ、疑う

データ分析を始めるときには、何らかの手段でデータを集めることになります。ピープルアナリティスクの場合、組織で運用している人事給与システムのデータが軸になります。そして、分析テーマに応じて勤怠、旅費、タレントマネジメントなど関連システムのデータや、組織サーベイやアセスメント結果なども利用していきます。場合によっては、SFAや財務会計などの他業務のデータまで手を広げることもあるかもしれません。 もしデータレイクやデータウェアハウスといったデータ基盤が整っている場合は、データ基盤にアクセスして抽出してくることになります。そうでない場合は、各システム・データの管理部門とコミュニケーションをとって集めてくることになるでしょう。 データ抽出と集約にかかる時間は組織によって違いがあるものですが、それなりに時間がかかる印象です。人事データアナリストの皆さんは、分析プロジェクトのデッドラインを気にしながらデータの到着を待った経験があるのではないでしょうか。これは、データ分析プロジェクトが遅延する代表的な要因です。 このようなとき、人事データアナリストが打てる手はいくつかあります。第一に分析アプロー...

ITCプロセスガイドラインについて(PGL4.0)

ITCプロセスガイドラインについて(PGL4.0)

ITコーディネータは、経営とITの間に立って経営変革を一気通貫で支援する人材で、ITコーディネータ協会が資格認定を行っています。民間資格ながら経済産業省推奨の資格となっていて、近年知名度が上がってきたように思います。私は2023年にITコーディネータを取得しましたが、ITによる経営変革プロセスを学ぶことができ、とても良い学びになりました。 ITコーディネータの方法論とノウハウは、ITCプロセスガイドライン(以下PGL)に集約されています。ITC資格を取るには筆記試験の合格とケース研修の完了が必要なのですが、それらの土台になっています。 さて、そのPGLがこの春にバージョアップされ、PGL4.0となりました。4.0からPDF版は無料公開されています。私も早速読んでみました。 * PGL 4.0 (無料公開) 一読しての印象は以下の通りです。 1. 時代に即したアプローチになった。重厚な経営計画からOODA的アプローチへ。 2. シンプルにまとめられている。51個もあった原則が10個に集約。 3. 価値創造が全面に! 4. 組織学習(学習する組織)や人的資本経営も含...

アナリスト自身で考え抜く時間を作る

アナリスト自身で考え抜く時間を作る

ピープルアナリティスクに携わるデータアナリストは、人事担当者やデータ管理部門など多くのステークホルダーと会話を重ねながらプロジェクトを進めていくことになります。分析テーマやアプローチの検討から始まり、定期的なディスカッション、意思決定者へのレポーティングなど様々な場面があります。あるいは、データアナリストチーム内で、メンタリングを受けることもあるかもしれません。こうした会話はとても大切です。 その一方で、データアナリストはデータから何らかの知見や考察を得るべく、データ分析作業に時間をかけます。データの抽出から前処理、モデリング、評価、報告書の作成までやることはたくさんありますね。 分析プロジェクトに参画して間もない方は、思ったよりも前処理に時間がかかったり、評価方法がわからなかったりして、余裕がない状態になることもあるでしょう。また、プロジェクトで採用した分析手法が未経験で、どうやって分析したらよいのだろう?と焦って調べることになるかもしれません。 このようなとき、期日までに作業を終わらせることを目指し、とにかく手を動かすことを優先する方もいらっしゃることでしょう。しかし、データ...

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